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心の中のガラスは砕けて散った
第9章 8月
木曜日 遙が帰り際 綾乃を呼び止め

「 明日 白井さんの処へ行くんでしょう
  下着は普段付けている、白い下着
  出来たら 洗い晒しのを 付けて行って 」

綾乃が怪訝な顔で遥を見返すと

「 白井さんが、喜ぶから 」

笑い顔で言い、背中を叩かれた
昨夜風呂上がり、箪笥の中の白い下着を
身に着けているのを見て 康二が布団の中から見上げ
聞いて来た

「 明日、出張って 東京? 」

「 そう 社長と関東の色々な処を紹介してくれる
  偉い人みたい 今度の仕事の紹介を貰いに 
  月末は、関西の偉い人の処、社長と一緒に
  行くように言われたの 」

「 綾乃は、事務仕事では無いの? 」

「 営業をしないと 仕事が入らないから 
  事務所の4人で 営業もしてるの 」

「 今週 遙さんも岡田さんも堀井さんも
  営業で回って居るは、大事な商談だから
  私も一緒と言われたの、ホテルは別の
  部屋よ、」

綾乃が悪戯な笑顔で康二を見下ろした
康二は少し、憮然とした表情で顔を背けた
布団に身を入れ 寝室の灯りが消え
隣から康二の規則正しい寝息を聞こえ
綾乃は閉じた目を開け、明日の夜は・・・・
静かに目を閉じ、眠りの世界へ

不意に景色が変わった、視界からビルが消え
白い漆喰の壁、タクシーは和風の門の前に止まる
社長の後を付き、門の中へと 手入れのされた
植え込みの中 玄関の格子を開け社長が入って行く
物音一つ聞こえない建物の中から 和服姿の女将の姿が
入り口で膝を付き 社長を見上げてくる

「 白井様は? 」

「 お部屋でお待ちです 」 


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