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心の中のガラスは砕けて散った
第9章 8月
和彦はズカズカと 机に向かい椅子に腰かけ 
綾乃を手招きする 綾乃は招かれるまま 中に入り
扉を閉め 机の前に立ち 机の後ろの大きな窓から
見える街中の風景に視線を送った

「 成田君 今日の予定は? 」

突然の和彦の問いかけに 綾乃は和彦と視線を合わせ
悪戯な目で見上げて来る和彦に

「 本日は 2時から3時まで 営業会議が その後
  〇〇会社社長が お見えになる予定です 」

あたかも ビジネス手帳を持っている風を装い
掛けていない眼鏡を 合わせるように持ち上げて見せた
和彦は頷き

「 成田君 此処へ 」

座って居る椅子を回し 目の前を手で指し示した
綾乃が前に立つと

「 今日は 何色かな? 」

好色な目で聞いて来る

・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・ し ろ です・・・

和彦に聞かれた時 躊躇した綾乃は
和彦の欲情を浮かべた目を見て
答えていた

「 見せてくれるかな ? 」

少し掠れた声が 綾乃は 
紺色のスカートの裾を持ち上げていく

肌色のストッキングに包まれた 白い布の
際まで上げ、ギラギラとした光に変わった
和彦を見下ろした 和彦の顎が もっとと
言うように しゃくり上げて来た
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