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第9章 ８月

月曜日

子供達に朝食を食べさせていた　
TVからは　昨夜の山間部に降った大雨で
キャンプ場に居た人達が　非難したと告げていた
窓の外は　夏の日差しが降り注ぎ　今日もまた
暑い一日が

「　成田さん　」
伝票の束をパソコンに打ち込んでいた綾乃の
後ろから　和彦が声を掛けて来た
綾乃が振り返ると、

「　慣れました　？　」

「　まだ　二日目ですよ　」
綾乃は笑顔で　答えを返した

「　社内の案内は？　」
綾乃は困惑した顔で　首を振る

「　お昼　ご一緒にと　井上さん
　　成田さんに　建物の中案内して
　　お昼しても大丈夫かな？　」
綾乃の隣に座って居た井上が　パソコンの
画面から顔を上げ　時計を見て頷き

「　山田さん　先月も3つ契約　凄いですね　」
井上が和彦を　眩しそうに見上げた

「　月末最後の日の　駆け込み契約で　何とか・・　」
和彦は　綾乃に視線を合わせ嬉しそうに呟き

「　行きましょうか　」
綾乃を促した