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心の中のガラスは砕けて散った
第9章 8月
子供達を送り出し、綾乃はスーツを着てバス停に
走りだしたバスの吊革に 緊張した面持ちで
掴まった、駅まで15分 緊張が高まって来る
会社の傍のバス停で降り、勤務先に向かう
7階建てのビル、入り口の前で大きく息を
吸い込み、中へと入り、階段を上がった

右分けの茶髪をグラデーションボブにした
女性が 2階の入り口で綾乃を迎え

「 成田さんですね、井上です 更衣室は? 」
綾乃が昨日と言うと、頷いて

「 着替えたら あちらに 」
指で昨日菅原と顔を合わせた部屋を指した
綾乃の新しい生活が初まった


仕事を終え 帰宅した綾乃は手早く
調理した物をテーブルに並べ、
家族が揃っての食事が終わった
時計は6時45分

「 行って来るね 」

康二は時計を見て立ち上がった 
大学ノートを抱え 綾乃を伺うように見て
玄関を出て、集会場へ薄暮の中向かう
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