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心の中のガラスは砕けて散った
第8章 綾乃と綾
「 おくさん!! 」

カップの中の紅茶に、康二と会話をしなくなった
日からの事を考えていた 綾乃は和彦に呼ばれ
顔を上げて和彦を見て 目の奥の光を見て
視線を外した

「 お時間、有りますか? 」

和彦の言葉に 俯いたまま唇を噛みしめ
和彦が尋ねて来た夜を思い出す

・・・・ 私は・・俺は・・ 一生・・・忘れない・・・

和彦が 小さな声で吐き出した言葉 
涙が浮かんだ目の中に、諦めを浮かべ、
康二を見下ろし出て行った後姿、 
肩を落として、それでも虚勢を張り
静かにドアを閉めて出て行った 後の静寂、

和彦が部屋から消えた後の静寂
肩を落とし、俯き身じろぎしない
康二を残して 客間に横に成った夜、

頭の中に 次々と蘇り 綾乃は顔を上げ、
和彦の目を見て、覚悟を決めた目で頷いた

「 出ましょうか 」

和彦が立ち上がり、綾乃は頷いて椅子を引いた
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