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第8章 綾乃と綾

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月末の火曜日　突然電話が鳴った

「　はい　成田です　」
機械的に電話の向こうに話しかける

「　山田です　」
綾乃は息を飲み、受話器を握り締めた

「・・・・・・・・・・・・・」
何を話して良いか判らず、無言に成る

「　お金、振り込んでくれたのですね　
　　有難う御座います　先ほど見ました　」

「　いえ　お約束ですから・・・　」
綾乃は山田の電話を、早く終わらせようと
言葉を少なく、返事を返した

「　奥様は、働いた事有りますか？　」
山田が突然、聞いて来た事に綾乃は困惑した

「　結婚する前は・・・経理事務を・・・　」
綾乃は経歴だけを話して、山田の真意を探す

「　奥さん　お仕事しませんか？　」
山田が突然　切り出してきた

「　えっ！！　」
誰も居ないリビング、思わず窓の外に視線を送り
山田の言って来た事に、困惑した