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やっと、逢えた
第5章 告白
「親父が言ってたことは本当だよ?」


「えっ?」


「一目惚れした。
それで、会えないかなと思って、
毎日、出逢ったあの階段の近くのカフェに行ってた」


彼女の頬と耳がほんのり紅くなる。


「ストーカーみたいだよな」


彼女はそっと首を横に振る。


「私も…逢いたいって思ってました。
でも…」


「でも?」


「手に触れただけで気絶しちゃうような女なんて…。
とてもお付き合いなんて、出来ませんよね?」

彼女は淋しそうに呟いて俯いてしまった。


「そんなことないよ。
俺、それよりもっと酷い状態っていうか…。
なんて説明すれば良いのか…。
紫さん…って呼んでも良い?」

彼女が許可してくれなくても、
もう、そう呼ぶことに決めてしまう。


「紫さんが、触れたヒトから痛みや苦痛を受け止めてしまうなら、
俺もある種、そういうことが出来るんだ。
でも、もっと直接的にだけど…」


「えっ?」


「一番近いのは、
吸血鬼かもしれない」


彼女は不思議そうな顔で、
俺のことを見つめていた。
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