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やっと、逢えた
第2章 待てど暮らせど
葵のカルテで、
彼女の職場があの地下鉄の階段やカフェから五分ほどの所にあることが判った。

ただ、会社から一番近い階段という訳でなかったようだ。

そして、その駅から数駅ほどの所に住んでいることも判って、
俺はかなり落ち着いた気持ちになった。


毎日のカフェ通いも辞めて、
仕事に集中してみたりした。


祈るような気持ちで一日一日が過ぎるのを待った。


そして、明日には会えると思った日の夜、
サロンで葵から残念なことを告げられた。


体調不良で予約がキャンセルになったと。


「さすがに白蓮様に一噛みして貰えばすぐに治るとか、
言えませんからね」と葵が言う。


そりゃ、そうだけど、
上手いこと言って来て貰えなかったのかと心の底から思ってしまう。



「そんな顔してもダメですよ。
そんなこと、言えないじゃないですか。
また、治ったら予約してしてくれるって言ってましたよ」

少し呆れた顔で言われたのは、
多分、俺が酷い顔をしていたからだろう。








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