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雨が好き
第79章 扉

『コーヒーを美味しく淹れたい』
そう、あの日、言ったことが、ずっとずっと私の頭の中にある。
あの時は咄嗟に言ったことだったけど、
私が口にした小さな『夢』は、みんなから応援されてしまった。
これまで一度も、あんなふうに『なりたいもの』とか『やりたいこと』を口に出したことはなかったから、
だから、あたりまえなのだけど、
一度も応援されることなんて、なかった。
もし、ひとりで見ていた『夢』だったなら、
きっと私は『まあいいや』って、思っちゃうだろう。
でも、ひとりのものじゃないから、
なんとか・・・したい、そう思っていた。
思っていたのだけど・・・。
私は窓の外、人の少ない通りを見て、
ひとつ、ため息をついた。
私は、ずっとずっと足踏みばかりをしていた。
そのせいか、行き先が『あっち』だなって思っても、
どうやって足を踏み出せばいいのか、わからないのだ。
そんな戸惑いを抱えて、私は、
『みなと町』のホールで、立ち尽くしてしまっていた。
「ん?どうした、みなと?」
お父さんが声を掛けてくる。
そう、あの日、言ったことが、ずっとずっと私の頭の中にある。
あの時は咄嗟に言ったことだったけど、
私が口にした小さな『夢』は、みんなから応援されてしまった。
これまで一度も、あんなふうに『なりたいもの』とか『やりたいこと』を口に出したことはなかったから、
だから、あたりまえなのだけど、
一度も応援されることなんて、なかった。
もし、ひとりで見ていた『夢』だったなら、
きっと私は『まあいいや』って、思っちゃうだろう。
でも、ひとりのものじゃないから、
なんとか・・・したい、そう思っていた。
思っていたのだけど・・・。
私は窓の外、人の少ない通りを見て、
ひとつ、ため息をついた。
私は、ずっとずっと足踏みばかりをしていた。
そのせいか、行き先が『あっち』だなって思っても、
どうやって足を踏み出せばいいのか、わからないのだ。
そんな戸惑いを抱えて、私は、
『みなと町』のホールで、立ち尽くしてしまっていた。
「ん?どうした、みなと?」
お父さんが声を掛けてくる。

