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雨が好き
第78章 昼間の夢
「ふふ・・・子どもたちも巣立ってね。時間、あるから。好きだったこと、やってみようかって」

お母様が言うには、絵手紙の展覧会というのが定期的にあるらしい。
そこに出品して選ばれる、というのが今年の目標なのだ、という。

次は蒼人さんの番、のようだ。
「資格を取ろうかと思う」
へえ、どんな?と水際さん。
「樹木医・・・樹のお医者さんだよ」

すっごーい、と声が上がる。

「うん、まだ実は受験できないんだ。だから正確にはその準備」

なんでまた?と水際さんが聞くと
「あと・・・その・・・理由はあるんだけど」
ちょっと、しどろもどろだ。

なんだろう。なんだか言いにくそう。
ちらりと蒼人さんが私の方を見ていた。

その様子を見て、お母様と水際さんが顔を見合わせて微笑む。
「うん、なんとなく、わかった」
そんな感じで、なんだかよくわからないうちに、蒼人さんの番は終わってしまう。
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