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雨が好き
第78章 昼間の夢

【昼間の夢】
蒼人さんのお家でおせちをつつきながらお話をしていて、
話題が『今年の抱負』になった。
抱負?
「父が昔から言ってたんです」
「そうそう、一年の計は元旦にあり、とか言っちゃってさ」
なので、高槻家のお正月では定番の話題、なのだそうだ。
「私はね、今年は絵手紙をコンクール出品するつもり」
初めにお母様が言った。
去年の秋ごろから、市の公民館でやっている絵手紙のお教室に行き始めたのだそうだ。
習作だけど、と何枚か見せてくれる。
水彩の絵の具で描いたのだろう、優しいタッチのコスモスや山の絵。
そこに文字が添えられていた。
「お母さんこれって・・・」
水際さんが新緑の山を描いたハガキを手に言った。
「うん、そう・・・お父さんにって」
そこには
『みんな元気です また、いっしょにあなたと登りたい』
そう書いてあった。
よく見ると、ハガキのメッセージは短いものばかりだけど、どれも『お父さんに』と思って読めばそう読めるものばかりだった。
なんだか、胸がじんとした。
蒼人さんのお家でおせちをつつきながらお話をしていて、
話題が『今年の抱負』になった。
抱負?
「父が昔から言ってたんです」
「そうそう、一年の計は元旦にあり、とか言っちゃってさ」
なので、高槻家のお正月では定番の話題、なのだそうだ。
「私はね、今年は絵手紙をコンクール出品するつもり」
初めにお母様が言った。
去年の秋ごろから、市の公民館でやっている絵手紙のお教室に行き始めたのだそうだ。
習作だけど、と何枚か見せてくれる。
水彩の絵の具で描いたのだろう、優しいタッチのコスモスや山の絵。
そこに文字が添えられていた。
「お母さんこれって・・・」
水際さんが新緑の山を描いたハガキを手に言った。
「うん、そう・・・お父さんにって」
そこには
『みんな元気です また、いっしょにあなたと登りたい』
そう書いてあった。
よく見ると、ハガキのメッセージは短いものばかりだけど、どれも『お父さんに』と思って読めばそう読めるものばかりだった。
なんだか、胸がじんとした。

