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雨が好き
第77章 蒼人さんの家
蒼人さん、水際さんと一緒にいると、いつもあたたかい気持ちになる。
それがどこからきたのか、わかった気がする。

二人の胸の中。それを満たしているあったかさと、
ここにあるあったかさ、おんなじ感じ。

だからなんだ。
笑いながら、お話しながら、私は思った。

ああ、きっと、あったかさって、水みたいなんだな、と。
お母さんから、そして、きっとお父さんから注がれて、
それは、蒼人さんや水際さんに流れ込んでいったんだ。

蒼人さんのお母さんやお父さんも、そのまたお父さんやお母さんから注がれた。

そうやっていっぱいいっぱい流れてきたあったかさを、
私は今、もらっている。

蒼人さんから、水際さんから
お父さんから、恵美子おばさんから

今も、今までも、
いっぱい、いっぱいもらっている。

私も、いつか、こんなにもらったあったかさを
誰かに、渡していけるかな。
誰かに注いでいけるかな。

そうなればいいし、
そうしたい。

そんな風に、思っていた。
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