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雨が好き
第77章 蒼人さんの家

「へっへー・・・これね、実は余りもんなんだ!」
水際さんがえへんと、胸を張る。
どうやら、水際さんが勤めているデパートで、売れ残ったおせちを格安で社員販売していたのを買ってきた、と、そういうことらしい。
「この子、食べきれないって言ってるのに、いっつもたくさん買ってきちゃって・・・だから、ねえ、みなとちゃんも手伝ってくださいな」
『みなと町』では、おせち料理、というのをあまり食べない。
お父さんが、昆布締めや栗きんとん、伊達巻なんかを作ってくれたことはあったけれども、二人だけしかいないこともあって、私は実のところ、こうしたお重に入ったおせちというのを初めて目の当たりにした。
「お母さーん!ビールでいい?」
「あぁ、はいはい、お願いね。えっと・・・みなとちゃんは?」
「みなとちゃんは、あんま飲まないかな?日本酒とか、飲める?」
水際さんが気を使ってくれる。蒼人さんは、日本酒を飲むそうだ。
じゃあ、私も、少しだけ・・・
蒼人さんの隣に私
蒼人さんの向かいにお母様、
その隣に水際さん、
自然と席がそんな風になる。
水際さんがえへんと、胸を張る。
どうやら、水際さんが勤めているデパートで、売れ残ったおせちを格安で社員販売していたのを買ってきた、と、そういうことらしい。
「この子、食べきれないって言ってるのに、いっつもたくさん買ってきちゃって・・・だから、ねえ、みなとちゃんも手伝ってくださいな」
『みなと町』では、おせち料理、というのをあまり食べない。
お父さんが、昆布締めや栗きんとん、伊達巻なんかを作ってくれたことはあったけれども、二人だけしかいないこともあって、私は実のところ、こうしたお重に入ったおせちというのを初めて目の当たりにした。
「お母さーん!ビールでいい?」
「あぁ、はいはい、お願いね。えっと・・・みなとちゃんは?」
「みなとちゃんは、あんま飲まないかな?日本酒とか、飲める?」
水際さんが気を使ってくれる。蒼人さんは、日本酒を飲むそうだ。
じゃあ、私も、少しだけ・・・
蒼人さんの隣に私
蒼人さんの向かいにお母様、
その隣に水際さん、
自然と席がそんな風になる。

