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雨が好き
第76章 初夢
なので、彼が好きな日本酒と、私が飲みやすい白ワインを一本ずつ、かごに入れた、
二人でお会計して、お店を出た。

買い物袋を分け合って持つ。
重たいものは蒼人さんが、
少し軽いものは、私が、そういう分担。

スーパーを出て、左手に歩くと、アイスクリーム屋さん。
なんとなく、入ってしまって、二人で一つを買うことにした。

そこは店内にも少しだけ席があるので並んで座って、
「冬に食べるアイスってなんか贅沢」
蒼人さんが言うと、
私もそうそう、と、笑って頷いていた。

外の日差しが柔らかくなった頃、私達は、家に帰ることにした。
二人揃って、同じ方向。

このときの私は、同じところに帰るのが、とても不思議に感じて、
『なんだか、素敵だなって』
つい呟いたら、
蒼人さんは笑って、
『そんなの当たり前じゃないか』と言っていた。

そんなことを感じて、ただいまと言って、お家の玄関を開けたところで、
目が、覚めた。

ぱちりと、目を開けると、見慣れた天井。
『みなと町』の二階。私のお部屋だった。

身体を起こして、目をこすこす。
ぐっと、伸びをする。

あくびついでに、少し涙が出た。
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