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雨が好き
第68章 ルミナス・ガーデン
並んで座ると、二人の息が白く立ち上るのがよりわかった。
「たしかに冬ですね」
「空・・・きれい」
チラチラと星が瞬いていた。地上にも、お空にも、たくさんの光が散らばっている。
大きなオリオン座が空を駆けていた。

そう、冬だ。

蒼人さんと知り合ったのは夏前。
まだ、雨の頃だった。
「そう言えば、初めて会ったのって、梅雨時でしたものね」
嬉しい、蒼人さんも同じこと、考えていたみたい。
「ちょうど、半年・・・ですね」
この半年間、本当にいろんなことがあった。
美術館に行ったり、水族館に行ったりもした。
海を一緒に見たり、山にも登った。
水際さんとわいわいしたことも、ショップの店員さんにペアルックを勧められたことも。

私の人生の苦しいことを・・・わかってくれたことも。
私にとって、とっても、とっても大事な人。
蒼人さん・・・。

でも、私は・・・。

蒼人さんの顔をそっと見上げる。
LEDの白い光に照らされて、まるで、天使のようだと、思ってしまう。

雨の神様は、今日、クリスマスの天使になった・・・のかもしれない。

私は、蒼人さんの何かになれているのかな。
「うん?」
私の視線に気づいたのか、蒼人さんがこっちを見た。
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