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雨が好き
第67章 クリスマス・ディナー
「もう、頼んでありますから」
どうやらここはフレンチのお店のようで、蒼人さんはコースの予約をしてあったみたい。
私達が座ると、すぐに次々と料理が運ばれてきた。

四角いお皿に盛られたかわいらしい前菜
黒いつぶつぶはキャビア・・・なのかな?

もぐっと口に含むと、味わったことがない旨味と粒々の食感があった
「おいしい」
私が言うと、蒼人さんも満足そうにしていた。

次のお皿はスープ
金色のコンソメだった
一口飲むと、口の中がとっても賑やかになる

「いろんな・・・味がする」

そうとしか言いようがなかった。

「みなとさんらしい表現ですね」
蒼人さんも一口飲んで、少し目を見開いた。
多分、とっても美味しかったんだな、と思った。

お魚は金目鯛、お肉料理は牛のフィレだった。
「お魚のソース、美味しい」
「お肉、すごい柔らかい・・・ですね」

水際さんと食べたイタリアンは賑やかだったけど、
こうして蒼人さんと一皿一皿、味わうように食べるお食事も、とても好きだった。

時折、目が合うと、ニコッとしてくれる。
「みなとさん、美味しそうに食べるから・・・きてよかったなって思います」
そう言われた時は、顔がぽっと赤くなるのを感じた。
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