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雨が好き
第66章 きらめく街
「なんだか、外がきれいですね。毎年、このあたりはこんな感じですか?」
そんな風に蒼人さんに聞かれて、
あれ?去年はどうだったかな、と私は考えてしまった。

確かに、蒼人さんに促されて外を見ると、
夕暮れの『みなと町』の窓の外は、少し前よりずっとキラキラとしているようだった。

この季節、街って、こんな風になるんだ。
知っていたはずなのに、初めて気付いた・・・そんな気がした。

「ええ、このあたりは駅もそこそこ近いので、
 商店街で毎年クリスマスのライトアップをするんですよ」
お父さんがカウンターの奥から声をかけてくれた。

相変わらず、この時間、『みなと町』のお客さんは蒼人さんだけなので、お父さんは少し、手持ち無沙汰。

そんなお父さんの声に蒼人さんも頷く。
「そうなんですね」
そう言って、また、彼は窓の外に目を向けた。
それを見て、自然と、私の目も外に向く。
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