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女性のための犯され短編集
第22章 陰謀王子に犯される

「──…私を恨みますか?」

「……!」

「フッ…恨んで当然ですね。だが、もう手遅れです。私の妻となった貴女は……二度と兄に会えません。あの辺境の地で、兄は静かに余生を過ごすだろう。これで貴女は私のものだ……!」

「…ッ…ぅ、ん…!」

 王子の唇が、彼女の唇に重ねられる。

 貪るように舌が割ってはいろうとする。

 ....チュッ

「……ッ」

 彼女は、それを淡白に受け止めた。

 目を閉じることもせず、ただ天井の金細工を見つめる。

 そして彼女は心の中で、第一王子の名を呼んでいた。王子の唇がリップ音とともに離れてはくっ付くを繰り返すが、まったく反応を示さない。

 王子はフッと含み笑った。息が熱い。

「そんな反応か……ますます貴女が欲しくなりますね」

 彼の手がドレスの紐を解く。

 コルセットが緩みんで胸元が開かれる。

 すると令嬢の白い肌が、蠟燭の光に輝いた。豊かな胸の膨らみが露わになる。

 王子は……ゆっくりと唇を下ろした。

 頂きの突起を、口に含む。

「…ン…」

 じっとりと、湿った唇で覆い、ねっとりと舌を絡めて吸い上げる。

 チュッ、レロッ

 音が立つ。

 舌の表面が肌にべたりと張り付き、這い回った。

 そこへ唾液が混じるとぬるぬるとした温かさが広がった。

 頂きを転がし、引き伸ばすように吸う。いつまでもそうされる彼女の肌が……じっとりと湿り気を帯びていった。

「………!……っ」

 それでも彼女は無表情を貫いた。

 天井をじっと見つめる。

 熱い舌の感触が肌を湿らせて、時おりピクリと反応するが……だが、声を漏らさない。

 心を凍てつかせて耐えた。

 二度と会えない第一王子へと想いをはせながら、目の前の男への恨みを募らせた。


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