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天狐あやかし秘譚
第65章 主客転倒(しゅかくてんとう)
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【主客転倒】物事の順序や立場などが逆転すること。
これだ!と思ってたことがそうじゃない、全く違う見方があったぞ、みたいな。
♡ーーーーー♡

カダマシとダリが剣戟を交わし合い、御九里が斬撃を繰り出すべく呪言を唱え、九条が手にした鞭で小玉鼠を炸裂させ続けている中、私と日暮さんは、広場を囲む森を大きく迂回しながら移動していた。

戦いに全く自信のない私達二人は可能な限り身を低くし、なるべく目立たないようにする。更に、森に入る前に、日暮は私にひとつの白っぽい小石を渡してくれていた。

『これを握っていてください。少しだけ見つかりにくくなります』

彼女によると、これは『アレキサンドライト』の原石だそうだ。アレキサンドライトには身を守る力、姿を隠す力があるというのだ。どうやら日暮は、いわゆる世間的にいうところの『パワーストーン』の持つ力を、その呪力によりある程度引き出す事ができるらしい。

『おまじない程度ですけどね』

そう言って笑ってはいたが、自分用には私にくれたのより、ちょっと大きいのを取り出していたのを私は見逃さなかった。やっぱり、めっちゃ怖いらしい。

こそこそと森の中を進む間、広場では熾烈な戦いが繰り広げられているのが見て取れた。時折、漏れる閃光や爆音に、私は思わずひぃっと悲鳴を上げて首をすくめる。その点は日暮も同じであり、むしろ私以上に怖がっているようにすら見えた。足は小刻みに震え、先程からスムーズな移動にも支障がでているほどだった。

広場でひときわ大きな爆発が起こったころ、やっと、私達は広場の右手を抜け、その奥に向かう小道に到着していた。日暮が言うには、この道の奥に麻衣がいるとのことだった。この時点で再び広場に目をやるが、『まつろわぬ民』に気づかれている様子はないみたいだった。

「日暮さん、この奥には、本当に敵、いないんですよね?」
小声で言うと、日暮がコクリと頷く。
「気配はありません。だ、大丈夫ですっ!ま、万が一のと、ときはわ、私が守ります・・・から!」
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