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天狐あやかし秘譚
第128章 悲歌慷慨(ひかこうがい)
そう、自分は選ばれた・・・うまくやったんだ・・・、そう彼女は思っていた。
――姉は選ばれず、私は選ばれた・・・
「これから、更に厳しい戦いになる・・・神宝使いもだいぶ減ってしまった」
「・・・はい」
「これからも、僕を支えてくれるかい?キヌギヌ」
そんなことは問われるまでもなかった。
こんな幸せを与えてくれる人を、こんな温もりを与えてくれる人を、支えるのは、守るのは当然ではないか。
「君の姉の分も・・・君に手伝ってもらわねばならないのは心苦しいけど」
「何を言ってるんです。緋紅様にお仕えするのは当然のこと」
「・・・ふふ、そうか・・・やはり君は・・・」
とんとんと背中を叩かれ、安心しきったキヌギヌの呼吸が変化する。すーすーとリズミカルに、より深いものへと変わっていった。
あまりにも激しい交わりの反動だろう。彼女は気絶するように眠りについたのだ。
そして、安心しきった表情で眠りについた彼女は知る由もなかった。
緋紅が最後にこう続けたことを、
「やはり君は、君たちは、とても・・・」
愚か者だ、と。
緋紅の瞳が、深い眠りに落ちたキヌギヌを見下ろす。そこには底冷えするような昏い笑みが浮かんでいた。
――姉は選ばれず、私は選ばれた・・・
「これから、更に厳しい戦いになる・・・神宝使いもだいぶ減ってしまった」
「・・・はい」
「これからも、僕を支えてくれるかい?キヌギヌ」
そんなことは問われるまでもなかった。
こんな幸せを与えてくれる人を、こんな温もりを与えてくれる人を、支えるのは、守るのは当然ではないか。
「君の姉の分も・・・君に手伝ってもらわねばならないのは心苦しいけど」
「何を言ってるんです。緋紅様にお仕えするのは当然のこと」
「・・・ふふ、そうか・・・やはり君は・・・」
とんとんと背中を叩かれ、安心しきったキヌギヌの呼吸が変化する。すーすーとリズミカルに、より深いものへと変わっていった。
あまりにも激しい交わりの反動だろう。彼女は気絶するように眠りについたのだ。
そして、安心しきった表情で眠りについた彼女は知る由もなかった。
緋紅が最後にこう続けたことを、
「やはり君は、君たちは、とても・・・」
愚か者だ、と。
緋紅の瞳が、深い眠りに落ちたキヌギヌを見下ろす。そこには底冷えするような昏い笑みが浮かんでいた。

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