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天狐あやかし秘譚
第126章 九死一生(きゅうしいっしょう)
そうだ・・・彼女の妹であるキヌギヌは敵方の人間。しかも、多分『辺津鏡』を使って宝生前や御九里を誘拐し、いまだに御九里は彼女の手の中だ。
むしろ倒すべき人間と言ってもいい。
でも・・・
私はスクセに目をやった。
彼女はぐったりとうなだれていた。
彼女も言っていたではないか。
『頼めた義理ではない』と。そんなことは彼女も百も承知だったはずだ。
「彼女の持っている辺津鏡は場合によっては、スクセの使っていた沖津鏡よりも危険です。それをわざわざ救う必要など・・・」
「でも・・・」
そう・・・でも、だ。
道返玉に飲まれそうになった河西さんも
品々物之比礼を身に着け、不死になってしまったホシガリ様も、
足玉を使っていたイタツキも、
カダマシも、クチナワも、
みんな、最初はただの人間だった。それがどこかで力に焦がれて、唆されて、神宝使いに捺せられていただけではないか。
先程の話を聞けば、スクセもキヌギヌも、むしろ緋紅に翻弄されていたとも捉えることができる。
確かに罪は罪だ。
でも、それなら生きて償わせるべきなのではないだろうか?
自業自得だから死んでいいなんて、やっぱりどうしても思えなかった。
「・・・やっぱり、そんなのやだよ・・・ダリ・・・」
私はもう一度ダリの方を見た。
そんな私を見て、ダリが小さくため息を付く。
その目は、先程よりもずっと優しい目をしていた。
「主がそう言うのは、分かっておった」
「え?じゃあ!」
「そもそも、人の子ひとり救ったところで、
我がついた側が負ける道理もない・・・御池よ」
ダリの言葉に、御池もまた小さく笑う。
「分かりました・・・協力しましょう。
ただし、こちらの神宝にはもう二度と手を触れないと誓ってくださいね」
その言葉に、スクセがぱっと顔を上げる。
むしろ倒すべき人間と言ってもいい。
でも・・・
私はスクセに目をやった。
彼女はぐったりとうなだれていた。
彼女も言っていたではないか。
『頼めた義理ではない』と。そんなことは彼女も百も承知だったはずだ。
「彼女の持っている辺津鏡は場合によっては、スクセの使っていた沖津鏡よりも危険です。それをわざわざ救う必要など・・・」
「でも・・・」
そう・・・でも、だ。
道返玉に飲まれそうになった河西さんも
品々物之比礼を身に着け、不死になってしまったホシガリ様も、
足玉を使っていたイタツキも、
カダマシも、クチナワも、
みんな、最初はただの人間だった。それがどこかで力に焦がれて、唆されて、神宝使いに捺せられていただけではないか。
先程の話を聞けば、スクセもキヌギヌも、むしろ緋紅に翻弄されていたとも捉えることができる。
確かに罪は罪だ。
でも、それなら生きて償わせるべきなのではないだろうか?
自業自得だから死んでいいなんて、やっぱりどうしても思えなかった。
「・・・やっぱり、そんなのやだよ・・・ダリ・・・」
私はもう一度ダリの方を見た。
そんな私を見て、ダリが小さくため息を付く。
その目は、先程よりもずっと優しい目をしていた。
「主がそう言うのは、分かっておった」
「え?じゃあ!」
「そもそも、人の子ひとり救ったところで、
我がついた側が負ける道理もない・・・御池よ」
ダリの言葉に、御池もまた小さく笑う。
「分かりました・・・協力しましょう。
ただし、こちらの神宝にはもう二度と手を触れないと誓ってくださいね」
その言葉に、スクセがぱっと顔を上げる。

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