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天狐あやかし秘譚
第125章 危機一髪(ききいっぱつ)
『どこだろう?屋敷じゃない・・・?』
夜なのかもしれない。それほどの暗さだった。よく見ると、遠くにチカッ、チカッとなにか光が見えた。沖津鏡に命じてそこを拡大していく。
『天狐・・・?』
そこにいたのは天狐だった。その右手にはヤツが戦闘時に使う古びた槍が握られている。宙に浮いているらしいヤツの視線は画面左下に向けられていた。
「いけない!」
ここでやっと私は我に帰る。
嫌な予感がした。これ以上は見てはいけないと思った。
目を閉じるなり、鏡の発動を止めるなりすればよかった。
しかし、決断が一歩遅かったのだ。
一瞬、鏡面から赤色の光が溢れ出す。画面右上から左下に向けて天狐が槍を突き出すように突進していく。鏡面の画像はそれを追っていた。
そして・・・
「きゃああああっ!!!」
叫び声があたりにこだました。それが自分の声だと気づくのに時間がかかった。
遅かったのだ。
そこには、桃色の巫女服に身を包み、左目下にほくろがある自身と同じ顔の女性・・・水有が天狐の槍に腹を貫かれている姿が、映し出されてしまったのだった・・・。
私は、またしても大切な人の『死』を沖津鏡によって、予見してしまったのであった。
夜なのかもしれない。それほどの暗さだった。よく見ると、遠くにチカッ、チカッとなにか光が見えた。沖津鏡に命じてそこを拡大していく。
『天狐・・・?』
そこにいたのは天狐だった。その右手にはヤツが戦闘時に使う古びた槍が握られている。宙に浮いているらしいヤツの視線は画面左下に向けられていた。
「いけない!」
ここでやっと私は我に帰る。
嫌な予感がした。これ以上は見てはいけないと思った。
目を閉じるなり、鏡の発動を止めるなりすればよかった。
しかし、決断が一歩遅かったのだ。
一瞬、鏡面から赤色の光が溢れ出す。画面右上から左下に向けて天狐が槍を突き出すように突進していく。鏡面の画像はそれを追っていた。
そして・・・
「きゃああああっ!!!」
叫び声があたりにこだました。それが自分の声だと気づくのに時間がかかった。
遅かったのだ。
そこには、桃色の巫女服に身を包み、左目下にほくろがある自身と同じ顔の女性・・・水有が天狐の槍に腹を貫かれている姿が、映し出されてしまったのだった・・・。
私は、またしても大切な人の『死』を沖津鏡によって、予見してしまったのであった。

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