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天狐あやかし秘譚
第122章 神算鬼謀(しんさんきぼう)
☆☆☆
そして、夜が来た。
いつものように水有といっしょに床につく。するりと布団に滑り込んだ時、きゅっとお尻が縮こまり、プラグがその存在感を主張した。
早く・・・早く・・・
いつも以上に気が急いてしまう。ちらちらと水有の方を見てしまう。早く水有が眠らないか・・・そればかりを考えてしまう。
「ねえ、お姉ちゃん」
不意にいつもは寝入りばなに話すことがない水有が口を開いた。たった今考えていたことに恥じ入り、私の返答は一拍遅れてしまった。
「ん・・・な、なに?」
「私たち、幸せだよね」
水有が言った。目を開くと、じっとこちらを見ていた。
「お父さんがあんなことして、お母さんも死んじゃって・・・家もなくなっちゃったけど・・・色々あってこうしてちゃんと暮らせている。・・・それになにより、私にはお姉ちゃんがいる・・・幸せだよね?」
その言葉にぎゅっと、胸の奥が苦しくなった。許されたのかもしれないと思いかけて、私は慌ててその考えを振りほどこうとする。
許されちゃダメなんだ。私は・・・。
だって私があの妙な鏡を覗かなければ、こんなことにはならなかった。
私が父をもっとちゃんと拒絶していれば、あそこまでの悲劇を迎えることはなかった。
そして・・・なにより・・・
緋紅様のことが頭をよぎる。
そして、夜が来た。
いつものように水有といっしょに床につく。するりと布団に滑り込んだ時、きゅっとお尻が縮こまり、プラグがその存在感を主張した。
早く・・・早く・・・
いつも以上に気が急いてしまう。ちらちらと水有の方を見てしまう。早く水有が眠らないか・・・そればかりを考えてしまう。
「ねえ、お姉ちゃん」
不意にいつもは寝入りばなに話すことがない水有が口を開いた。たった今考えていたことに恥じ入り、私の返答は一拍遅れてしまった。
「ん・・・な、なに?」
「私たち、幸せだよね」
水有が言った。目を開くと、じっとこちらを見ていた。
「お父さんがあんなことして、お母さんも死んじゃって・・・家もなくなっちゃったけど・・・色々あってこうしてちゃんと暮らせている。・・・それになにより、私にはお姉ちゃんがいる・・・幸せだよね?」
その言葉にぎゅっと、胸の奥が苦しくなった。許されたのかもしれないと思いかけて、私は慌ててその考えを振りほどこうとする。
許されちゃダメなんだ。私は・・・。
だって私があの妙な鏡を覗かなければ、こんなことにはならなかった。
私が父をもっとちゃんと拒絶していれば、あそこまでの悲劇を迎えることはなかった。
そして・・・なにより・・・
緋紅様のことが頭をよぎる。

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