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天狐あやかし秘譚
第120章 十網九罠(じゅうもうきゅうわ)
「んんっ・・・あはぁっ♡・・・んあ・・・お・・・きいですぅ」
入る時は痛みを感じないくらいだったのに、中から強い圧迫感を与えてくる。そして、トン、と彼の先端が私の最奥を優しく叩く感触がありありと分かり、ゾクリと背筋が震える。

何・・・これ?・・・こんなの知らない!

それは、今まで感じたどんなセックスの快感よりも深い満足感だった。奥に触れ、きゅっと押し上げられ、中をこね回されるような未知の感覚。お腹の奥が勝手にキュンキュンと震え、伸縮しているような感じに襲われる。

とん、とん、とん・・・とん、とん、とん・・・

緋紅様の腰つきはちっとも激しくない。かつて父が私にしたような欲望にギラつき、自分さえ気持ち良ければいいというような身勝手さは微塵も感じない。

私の中を確かめるように、私の思いをなぞるように優しく腰を突き入れてくる。その動きは私の中に快感をどんどんと蓄積していき、ついには体全体がフルフルと震えだしてしまうほどのゆるやかな絶頂に私をいざなう。

「ああっ・・・あ・・・んあ♡・・・ひ・・・ぐれ・・・さまぁ・・・」
どこか高いところから落ちていくような感覚を覚えて、私は必死に緋紅様の身体にしがみつく。そんな私をギュッと抱きしめながら、更に緋紅様はとんとん、とんとん、優しく私の中にある私の知らない性感帯を刺激し続けた。

「ああっ!も・・・もうダメ。ダメダメっ!」
「水無・・・水無・・・かわいいよ・・・お前は誰のものだ?口に出して言ってご覧・・・」

緋紅様の言葉が私の耳朶をくすぐり、脳に沁み込んでくる。それは与えられた快感と混ざりあい、脳髄の奥の奥に消えない思いとして刻み込まれていく。

誰の・・・誰の・・・って・・・
だって、あなたは、こんな私を許してくれた人、
誰も見つけてくれなかった私を抱きしめてくれた人。
そんな人、そんな人はあなたをおいて他にいない・・・。

それに・・・

キュンキュンとお腹の中が震える。
背筋をゾクゾクと快感の波が這い上がってくる。全身が高いところに持ち上げられ目の前がチカチカとスパークする。

こんなに、こんなに気持ちいいこと・・・今まで私が知らなかった快感・・・
これを与えてくれる人・・・だから

「ああっ・・・っ!!緋紅様・・・緋紅様のもの・・・私の全て、全てあなたのものっ!!」
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