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天狐あやかし秘譚
第117章 献身奉仕(けんしんほうし)
窓ガラスにうっすらと映る私の顔。
私とは反対の目・・・左目の下にほくろがある顔が、妹の水無のそれと重なる。
・・・あなただけは、守らなくちゃ・・・
その顔に、そっと語りかける。
私の視線がふと逸れ、ガラスの中の妹の前にある古代鏡が目に止まった。
顔を前に向け、現実のそれを見る。
事務机の上に無造作に置かれているのは、裏が白の古代鏡・・・私が受け継いでしまった神宝『沖津鏡』だった。
あの時、もし、私がこの鏡を覗き込まなければ・・・もしかしたら私も水有も今頃は普通に高校を卒業して、普通に大学に行って、サークル活動に精を出したり、友だちと遊んだり就職活動をしたり・・・普通に恋をしていたのかもしれない。
そんな詮方無きことが頭をよぎる。
あの時、きちんとババ様の言いつけを守って不用意に使わなければよかった。
水有には、何度謝っても謝りきれないほどの罪を、私は犯してしまっているのだ。
これ以上、彼女に辛い目を見せたくはない・・・それは私の心の偽らざる真実だった。
鏡面を不用意に見ないように伏せた鏡の裏面に昼下がりの陽光が反射する。
鏡を見ていたら、思い出したくもないことを、たくさん思い出してしまった。
そうだ、あの日から全てが狂ってしまったんだ。
私が妙な使命感にかられて、この呪われた『沖津鏡』を覗き込んでしまった、あの日から・・・。
私とは反対の目・・・左目の下にほくろがある顔が、妹の水無のそれと重なる。
・・・あなただけは、守らなくちゃ・・・
その顔に、そっと語りかける。
私の視線がふと逸れ、ガラスの中の妹の前にある古代鏡が目に止まった。
顔を前に向け、現実のそれを見る。
事務机の上に無造作に置かれているのは、裏が白の古代鏡・・・私が受け継いでしまった神宝『沖津鏡』だった。
あの時、もし、私がこの鏡を覗き込まなければ・・・もしかしたら私も水有も今頃は普通に高校を卒業して、普通に大学に行って、サークル活動に精を出したり、友だちと遊んだり就職活動をしたり・・・普通に恋をしていたのかもしれない。
そんな詮方無きことが頭をよぎる。
あの時、きちんとババ様の言いつけを守って不用意に使わなければよかった。
水有には、何度謝っても謝りきれないほどの罪を、私は犯してしまっているのだ。
これ以上、彼女に辛い目を見せたくはない・・・それは私の心の偽らざる真実だった。
鏡面を不用意に見ないように伏せた鏡の裏面に昼下がりの陽光が反射する。
鏡を見ていたら、思い出したくもないことを、たくさん思い出してしまった。
そうだ、あの日から全てが狂ってしまったんだ。
私が妙な使命感にかられて、この呪われた『沖津鏡』を覗き込んでしまった、あの日から・・・。

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