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天狐あやかし秘譚
第113章 第113章:【第22話 件】運否天賦(うんぷてんぷ)
「ああ、実はこの占い師、この間、地元メディアに取り上げられたらしくて、
 その時にとんでもないことをしでかしたらしい。
 それで京都支部も応援を頼まざるをえないと判断したようや。」

ここまで語ったところで、土御門の目が、目の前にあるラップトップの画面に注がれた。

「お、噂をすれば来たで。その時の映像や。」
カチャカチャとキーボードとマウスパッドを操作する。烏丸から送られてきた添付ファイルを開き、瀬良にも見えるようにPCの位置を調整した。

添付されていたのはMP4形式の動画ファイルだった。

土御門がファイルを立ち上げた際、静止した画面に映っていたのは、頭から黒いベールを被った女性とスーツ姿の女性の二人だった。

ベールの女のほうが着ているのは黒のロングドレス。腕の部分がレースになっている。垣間見える腕やベールの下から覗く首筋は病的なまでに白かった。ふわりとしたロングヘアはきれいに結い上げられており、これもまた黒色の髪留めでまとめられていた。

画像は地元のローカルニュースを扱う番組の1コーナーらしい。左上にテロップで『ドキ!気になる♪街スポット』と表示されている。

観葉植物などが飾られる棚を背景に、ソファが二つ置かれており、向かって左手にくだんの占い師、右手にインタビュアーらしきスーツの女性が座っているという構図だった。

土御門が再生ボタンを押すと、軽やかなオープニングジングルとともに画面が動き出す。カメラが少し寄り、中央の二人にフォーカスが当たった。

占い師の下には、商売用の名前なのだろう、アルファベットで『SUKUSE』とテロップが入っていた。

ジングルが終わると、インタビュアーの女性がカメラに向かって微笑みかけ、ついで占い師に笑顔を向けた。

『今日は、今、京都で話題の占い師『SUKUSE』さんにおいでいただきました〜』

番組の最初は特にこれといって特筆するものではなかった。
占いを始めたきっかけとか、小さい頃から不思議な能力があるのか、とか、そんな事をインタビュアーが尋ね、SUKUSEは言葉少なにそれに応えるといった感じで進んでいった。

どうやら、このSUKUSEは、ちょっと濁していたけれども、施設みたいなところで育ったようだった。そして、小さい頃から自分の能力に気づいていたと語っていた。
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