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天狐あやかし秘譚
第97章 【第19話:地狐】温慈恵和(おんじけいか)
☆☆☆
「お、お母さん、いらっしゃい・・・。飛行機止まってしもうたんやろ、大丈夫やったん?」
本当は羽田空港まで迎えに行く算段だったが、福岡空港でシステムトラブルが発生したとやらで、全線で遅れが出ている、ということが全国規模のニュースになっていた。慌てて母に電話をするも、なかなか通じなくてたいそう焦ったのだが、やっとメールが一通来た。そこには、案の定、出発便が予定よりだいぶ遅れる見通しであり、到着もいつになるかわからないから、家で待っていて欲しい・・・と書かれていた。
確かに綿貫亭の住所は前に知らせてあったし、到着まで何時間もただ空港で待つのも大変だ。なのでお言葉に甘えて、大人しく綿貫亭で待つことにしたわけである。
母が飛行機で来る、と聞いた時、ダリ達をどう説明しようかという不安はもちろんあったが、それとは別に若干、嫌な予感もしていたのだ。
母は昔から、どういうわけか複雑な電子機器との相性がすこぶる良くない。私が小さい頃から母が近づくと最新の電化製品が壊れることがよくあったのである。買ったばかりの液晶テレビが映らなくなったり、最新のドラム式洗濯機がうんともすんともいわなくなったり、パソコンがフリーズしまくったり・・・こんな例は枚挙にいとまがなかった。
なので、私の実家では家族が団らんするリビングにテレビを置くことができず、母が近づく必要がない父の書斎に置いてあったし、洗濯機は古い二槽式のものをずっと使っていた。電子レンジやパソコンの類も家では故障することが多くたいそう困ったものだった。
ちなみに母が持っているスマホも頻繁に故障するので、一番安いやつを買って、しかも保険は最上級のものを常にかけている始末だ。
たまたまなのかもしれないが、あまりにも頻繁にこういった事が起こるので、もしかしたら本当に母には電化製品を狂わす魔力があるのではないか、と兄弟3人で良く話をしていたものだ。
「お、お母さん、いらっしゃい・・・。飛行機止まってしもうたんやろ、大丈夫やったん?」
本当は羽田空港まで迎えに行く算段だったが、福岡空港でシステムトラブルが発生したとやらで、全線で遅れが出ている、ということが全国規模のニュースになっていた。慌てて母に電話をするも、なかなか通じなくてたいそう焦ったのだが、やっとメールが一通来た。そこには、案の定、出発便が予定よりだいぶ遅れる見通しであり、到着もいつになるかわからないから、家で待っていて欲しい・・・と書かれていた。
確かに綿貫亭の住所は前に知らせてあったし、到着まで何時間もただ空港で待つのも大変だ。なのでお言葉に甘えて、大人しく綿貫亭で待つことにしたわけである。
母が飛行機で来る、と聞いた時、ダリ達をどう説明しようかという不安はもちろんあったが、それとは別に若干、嫌な予感もしていたのだ。
母は昔から、どういうわけか複雑な電子機器との相性がすこぶる良くない。私が小さい頃から母が近づくと最新の電化製品が壊れることがよくあったのである。買ったばかりの液晶テレビが映らなくなったり、最新のドラム式洗濯機がうんともすんともいわなくなったり、パソコンがフリーズしまくったり・・・こんな例は枚挙にいとまがなかった。
なので、私の実家では家族が団らんするリビングにテレビを置くことができず、母が近づく必要がない父の書斎に置いてあったし、洗濯機は古い二槽式のものをずっと使っていた。電子レンジやパソコンの類も家では故障することが多くたいそう困ったものだった。
ちなみに母が持っているスマホも頻繁に故障するので、一番安いやつを買って、しかも保険は最上級のものを常にかけている始末だ。
たまたまなのかもしれないが、あまりにも頻繁にこういった事が起こるので、もしかしたら本当に母には電化製品を狂わす魔力があるのではないか、と兄弟3人で良く話をしていたものだ。

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