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天狐あやかし秘譚
第77章 背水之陣(はいすいのじん)
☆☆☆
ヤギョウが自由を取り戻し、カダマシが『だいだらぼっち』となって暴れはじめた時、土御門の切り替えは早かった。

「土門、左前それから九条、お前らはクチナワを!御九里は俺と、あの『首無し』を祓うで!
 祭部!陣形整えや、『首無し』には土公縛鎖術、その他にはもっぺん、水公縛鎖や!
 ダリはんは・・・」

言う前に心得ていたのか、ダリは後ろ跳びに闇に消えていくのが見えた。

ーそや、おまはんは、いちばん大事なとこ、守ってや・・・
 そこが落ちたら、日本終わりやねんから!

「残りの祓衆!ダリを援護せいっ!
 黄泉平坂を守るんや!!」

黄泉平坂を中心に半径3キロに及ぶ広大な敷地を大鹿島と敷島の張る『玄武盤石厳界』が取り囲む。
黄泉平坂を見て右手にはクチナワが多数の妖魅を召喚し、祭部衆を襲わせようとしているが、そこには祓衆筆頭・左前甚助、占部衆筆頭・土門杏里、そして、祭部衆・属の三位である九条水琉が向かっていた。
左手では、麻衣を内に込めた『棺』を片手に暴れまわる怪力ヤギョウを土御門が将軍剣で牽制している中、御九里が攻撃の機会を伺っていた。

そして、黄泉平坂に向けて巨体を走らせているカダマシと、それを迎え撃とうとする天狐ダリ、ダリの援護をするべく追いすがろうとする祓衆の陰陽師たち。

黄泉平坂の前、事態は混戦の様相を呈していた。

時刻は午後10時50分を回ろうとしていた。
見えない月が、南中していく。

逢魔が時まで、あと半刻ほどとなっていた。
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