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第76章 人面獣心（じんめんじゅうしん）

そう、本来緋紅は、供物からの性的奉仕を通して、その生命力を吸い尽くす算段だったのだ。しかし、緋紅自身が思っているより、その傷が重く、交わりに至らなかったのである。実際、このとき、ミオがこのまま緋紅を放置したら、緋紅は誰に知られることもなく死んでしまっていたかもしれなかったのだ。

ところが、ここで発揮されたミオの優しが、偶然にも足玉の発動要因を満たすことになった。過程はどうあれ、結果的に彼女は『癒やしたい』という思いを持って緋紅に密着し、その生命力が緋紅に流れ込むことになったのだ。性的奉仕によるものほど急激ではないにしても、彼女の行いは自身の命を知らぬ間に緋紅に捧げることになっていたのだ結果になったのだ。