この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第75章 生離死絶(せいりしぜつ)

ーさすがは神宝といったところか・・・
あの剣が真価を発揮しない内にぶっ叩かんとあかんな・・・
強化された刀身が緋紅の八握剣に弾かれる。その勢いを利用して土御門は将軍剣を大きく振りかぶった。
「土門!!」
「はいな!」
緋紅から向かって左の闇から、やたらと明るい女の声がする。緋紅が見やると、先程まで気づかなかったが、そこには紫色の妙な髪色をしたシャーマンのような女がいた。女は右手を頭上に掲げ、人差し指を真っ直ぐに伸ばしていた。
『木気 召雷白辰大砲!(もくき しょうらいはくしんたいほう)』
呪言により収束した呪力が指先にコロナ放電を起こし、わだかまったエネルギーは天から雷撃を呼ぶ。木気の術式中、対個人最大の威力を誇るとされる特大の雷が、土御門の振りかざした将軍剣に落ちた。
呪力のタイミングを合わせた土御門は、彼女の放った白辰の雷を剣に纏わせ、その雷撃の威力もろともに緋紅に向かって振り下ろした。
ー金気と木気の合せ技や!
黒焦げになりや!
「金気 金剛・白辰之太刀!(きんき こんごう・はくしんのたち)」
『二段目・・・』
雷撃をまとった剣を受ける時、緋紅がにやりと笑って呟いた。神力がさらにもう一段解放される。神の力によって生み出された超重量を纏った八握剣が、土御門の雷の斬撃を斜めに受け流した。
受け流された力は森を打ち払い、木々が轟音と共に幾重にも倒れていく。
「ちっ!・・・これも防ぐんかいな」
ーこれ、マジ厄介やで・・・
必殺の一撃が効かんのなら、数で勝負や!
「左前!土門!!たたみかけい!!」
左前が水の刃を、土門が雷の矢を放つ。手数で勝負と判断しての連携攻撃だったが、緋紅は無数の水の刃と雷の矢を華麗なステップで躱し続ける。
どうやら、八握剣は使用者の身体能力も底上げするらしい。
「当たらないのです!」
「くぅっ!」
左前と土門が術の発射頻度を高める。先程よりも高頻度の攻撃であっても、その間を縫い、ある時は八握剣を振るって叩き落としながら、緋紅は縦横に走り続ける。
「わ!こっち来たのです!!」
土門の方を与し易しと判断したのか、緋紅が雷の矢を叩き落としながら彼女に迫った。
「まずはその首、もらうよ・・・」
八握剣が横薙ぎに振るわれる。その半月形の軌道はたしかに土門の細めの首を捉えていた。
あの剣が真価を発揮しない内にぶっ叩かんとあかんな・・・
強化された刀身が緋紅の八握剣に弾かれる。その勢いを利用して土御門は将軍剣を大きく振りかぶった。
「土門!!」
「はいな!」
緋紅から向かって左の闇から、やたらと明るい女の声がする。緋紅が見やると、先程まで気づかなかったが、そこには紫色の妙な髪色をしたシャーマンのような女がいた。女は右手を頭上に掲げ、人差し指を真っ直ぐに伸ばしていた。
『木気 召雷白辰大砲!(もくき しょうらいはくしんたいほう)』
呪言により収束した呪力が指先にコロナ放電を起こし、わだかまったエネルギーは天から雷撃を呼ぶ。木気の術式中、対個人最大の威力を誇るとされる特大の雷が、土御門の振りかざした将軍剣に落ちた。
呪力のタイミングを合わせた土御門は、彼女の放った白辰の雷を剣に纏わせ、その雷撃の威力もろともに緋紅に向かって振り下ろした。
ー金気と木気の合せ技や!
黒焦げになりや!
「金気 金剛・白辰之太刀!(きんき こんごう・はくしんのたち)」
『二段目・・・』
雷撃をまとった剣を受ける時、緋紅がにやりと笑って呟いた。神力がさらにもう一段解放される。神の力によって生み出された超重量を纏った八握剣が、土御門の雷の斬撃を斜めに受け流した。
受け流された力は森を打ち払い、木々が轟音と共に幾重にも倒れていく。
「ちっ!・・・これも防ぐんかいな」
ーこれ、マジ厄介やで・・・
必殺の一撃が効かんのなら、数で勝負や!
「左前!土門!!たたみかけい!!」
左前が水の刃を、土門が雷の矢を放つ。手数で勝負と判断しての連携攻撃だったが、緋紅は無数の水の刃と雷の矢を華麗なステップで躱し続ける。
どうやら、八握剣は使用者の身体能力も底上げするらしい。
「当たらないのです!」
「くぅっ!」
左前と土門が術の発射頻度を高める。先程よりも高頻度の攻撃であっても、その間を縫い、ある時は八握剣を振るって叩き落としながら、緋紅は縦横に走り続ける。
「わ!こっち来たのです!!」
土門の方を与し易しと判断したのか、緋紅が雷の矢を叩き落としながら彼女に迫った。
「まずはその首、もらうよ・・・」
八握剣が横薙ぎに振るわれる。その半月形の軌道はたしかに土門の細めの首を捉えていた。

