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天狐あやかし秘譚
第74章 比翼之鳥(ひよくのとり)

これくらいのわがままは許してほしい。
瀬良は半ば強引に土御門の横にお尻を押し込むと、わざと背筋を伸ばして座ってみる。その横顔を見て、土御門が吹き出すように笑った。
「なんや、律儀やな。相変わらず」
「お役目・・・ですから」
「さよか」
言うと、とん、と頭を押される。
え?と思ったときには、彼の手で、その肩に頭をもたれかけさせられていた。
「これなら、瀬良ちゃんは休めるし、わいもご一緒できるし、一石二鳥。Win-Winや」
その言葉にくすりと笑ってしまい、身体に入っていた変な力が抜けていった。お腹のあたりの緊張感がゆっくりと解けていき、不覚にも意識がふわりと遠くなる。
これじゃ、寝ちゃう!
そう思って顔を起こそうとするが、土御門の手がそれを邪魔した。
「瀬良ちゃんの頭、そこにあるとな。わいも、安心すんねん・・・」
何・・・それ・・・
本当に、ずるい・・・人・・・
それが記憶している限り、瀬良が眠りに落ちる前、最後に思ったことだった。
瀬良は半ば強引に土御門の横にお尻を押し込むと、わざと背筋を伸ばして座ってみる。その横顔を見て、土御門が吹き出すように笑った。
「なんや、律儀やな。相変わらず」
「お役目・・・ですから」
「さよか」
言うと、とん、と頭を押される。
え?と思ったときには、彼の手で、その肩に頭をもたれかけさせられていた。
「これなら、瀬良ちゃんは休めるし、わいもご一緒できるし、一石二鳥。Win-Winや」
その言葉にくすりと笑ってしまい、身体に入っていた変な力が抜けていった。お腹のあたりの緊張感がゆっくりと解けていき、不覚にも意識がふわりと遠くなる。
これじゃ、寝ちゃう!
そう思って顔を起こそうとするが、土御門の手がそれを邪魔した。
「瀬良ちゃんの頭、そこにあるとな。わいも、安心すんねん・・・」
何・・・それ・・・
本当に、ずるい・・・人・・・
それが記憶している限り、瀬良が眠りに落ちる前、最後に思ったことだった。

