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天狐あやかし秘譚
第74章 比翼之鳥(ひよくのとり)
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【比翼之鳥】夫婦・男女間の情愛が深く、仲睦まじいことのたとえ。
片方ずつしか翼がないから、一緒じゃないと飛べないの!?みたいな。
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温かい湯の矢が身体を叩く。なんだかんだ言って、森で奮闘し、泥まみれの汗まみれになった身体がシャワーで洗い流されていく。

「綾音・・・」
「はーい、いますよー」
「うむ」

シャワー室の外からダリの声がした。私がシャワーに入ってから、これで3度目だ。向こうで待っててもらって大丈夫なのに、彼は律儀にシャワー室の入口に立膝で陣取って、数分おきに声をかけてくる。

最初は一緒にシャワー室に入ると言い出したのだが、とても狭くなるので遠慮した。そうしたら、こうなってしまったのだ。

よほど、心配らしい。
こんなふうに、ものすごくダリから心配されるのは、二回目のことだ。彼としては私を守れなかったという悔恨の念が半端じゃないということなのだろうと思う。その心情を慮ると、そうそう『あっちで待ってて』などと、無下にはできない。

そして・・・なんとなく、いや、はっきり言って・・・嬉しいというのも、かなりある。
私のことを、すごく、すごく大事にしてくれている気持ちが伝わってくるからだ。

私より前にシャワーを済ませた土門が、こそっと言ってきたのだ。

『ダリさんはですねぇ・・・綾音さんがいない間、そりゃもう、おっかない顔してたのです。身体中にバチバチって稲光をまとわせていて、誰も近寄れなかったんですからね!』

こうして再会できた後、私に対してはそんなこと、おくびにも出していなかったのだが、荒れようは相当だったらしい。土御門も同じようなことを言っていた。

『愛されとりますなあ、綾音はんは』

と。それに対して、私はというと、照れるやら、胸が一杯になるやらでちょっと大変だった。

「綾音・・・?」
またしてもダリが声をかけてくる。
「あ・・・も・・・もうすぐ出るから」
語尾が若干変わってきた。ちょっと待たせ過ぎてしまったかもしれない。

私だって、ダリにめちゃくちゃ会いたかった。あんな夢を見させられたのは、本当に痛恨の極みだ。

げー・・・。思い出しちゃったよ。

モミの見せた淫夢の中、私はダリのことを忘れてしまい、緋紅を彼氏だと思ってしまった。しかも、奴隷の誓いまでしたと思い込まされて・・・。
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