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淫夢売ります
第52章 無邪気な淫魔:交わり
教室に入り、咲希の席に近づいた。月明かりが彼女の顔を斜めに照らし出す。彼女は律儀に制服を着ていた。

「早く・・・教えてくれ・・・どうしたらいい?」
「えっと・・・魔法?だっけ?」
「とぼけるな!」

イライラする。近づいたことで、咲希の匂いが鼻腔を刺激しているのもその要因だった。こうでもしていないとまたおかしな気分になりそうだった。

「夢の中の私は、なんて言った?」
彼女も席を立つ。立ち上がったことで再び顔が月明かりから外れ、闇の中に溶ける。表情を見ることができなくなった。
夢の中で・・・咲希が・・・?

「私を・・・捕まえろと」
「じゃあ、そうしてみれば?
 それとも、勇気・・・ない?」

ほらほら、と両手をこちらに向けて伸ばしてくる。まるで、ハグを求めるかのように。まるで、男を求めるように。

一歩、彼女が近づいてくる。
私は、一歩、後ろに下がった。

更に女の匂いが強く感じられる。

「やっぱ、捕まえられない?・・・ふふ・・・よく、考えてご覧よ・・・ね?センセ?」

更に一歩、一歩と歩み寄られ、とうとう私は教室の前まで追い詰められるような形になる。

よく・・・考えろだと・・・どういうことだ?
か・・・考え・・・?

17時に咲希の家に電話した
22時に学校でと言われた
私はキーを使って、セキュリティを解除して・・・
・・・っ!?
まさか!

ぐいと、私は咲希の腕を取る。『キャ』と短い悲鳴を咲希が上げた。

そうだ・・・なんで気づかなかった。
咲希が、学校にいるわけがない。
入れるわけがないんだ。
17時に家にいた咲希が、キーなしに教室に入れるわけがない。

だったら・・・だったらこれは

「夢、なんだろ?」

それに気づいた私はぐいと咲希を引き寄せた。やっと、やっと捕まえたぞ。
「あん♡」
咲希の温かい体温、彼女の髪の毛の匂い、華奢な腰の感触。

馬鹿に・・・馬鹿にしやがって!

そのまま咲希を乱暴に教室の床に押し倒す。そのまま咲希の唇に自身のそれを押し付けた。柔らかな女子高生の唇。甘い唾液の味。誰もいないとは言え、普段、自分が教鞭をとっている教室で制服の学生を犯そうとしているという背徳的な興奮。
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