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淫夢売ります
第41章 淫らな選択:違う電車
そして今、私は社会人2年生の24歳。父が言うところの『25歳』はすでに来年に迫っている。そのせいか、母からはお見合いをと、月に1枚以上は必ずお相手の写真というのが送られてきていた。昭和の時代を彷彿とさせる両親の考え方には正直うんざりもするが、きっと結局、私は両親の言う通りに結婚してしまうのだろうな、そう思っていた。

親の敷いたレールから外れたことなど、私はこれまで一度もなかったからだ。

はあ・・・

小さく嘆息する。

その時、電車が揺れ、ぐいと左から押される。見ると、髪の長いOLのようで、突然の電車の揺れで倒れそうになったようだった。左側にはそのOL、後ろは見えないが、じっとりと汗ばんだ体温の高い感じから、どうやら男性だと感じる。右手は高校生くらいの子が下を向いてぎゅうぎゅう詰めの車内でスマホゲームをしている。

あまりの人熱れと圧迫感にくらりとした。思えば今日は金曜日、一週間の疲れも大分出てきていた。しばらくそのまま電車に揺られていると、ふわっと意識が遠くなりそうになる。必死に吊り革につかまり、倒れるのを防がなくてはならなかった。

・・・早く帰りたいな・・・

そんな風に思う。その時、ふと正面を見ると・・・

・・・イヤだ・・・

こちらに背中を向けた小柄な男性がスマートフォンの画面を眺めていた。その向こうは扉で、しばらくそちら側は開かない。男性は扉に向かって立っている、というわけだ。私は女性にしてはやや背の高い方で、男性の肩口から彼の見ているスマホの画面がちょうど見える位置にいた。

男性が見ていたのは、いわゆるポルノ画像だった。

ストッキングを履いたタイトスカートの女性が、オフィスらしき場所で、背後から男性に胸を鷲掴みにされているシーンのようだった。服は着たままで、胸をブラウス越しにしっかりと掴まれている。女性の胸は男性の指が埋まってしまうほど豊満だった。女性は嫌がっているのか、目を閉じて、下唇を噛んでその凌辱に耐えているように見えた。

男がその画像を指で上に弾くと、その下に文章が続いていた。どうやら、スマートフォンで小説、しかも官能小説を読んでいるようだった。右にも左にも身動きが取れない私の目に、その文章も当然飛び込んできてしまった。

何・・・これ・・・
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