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淫夢売ります
第32章 仮面の夜会:オートマータ
「今度はデリエールですね」
ほらこっち、とファイが手を引いてよく見える場所に誘導してくれる。そこで私が見たのは、ラビの肛門に男の陰茎が深々と突き刺さっている情景だった。

ぬちゅぬちゃと淫らな音を立てて、ありえない場所を出入りするペニスに、私の胸はこれ以上ないほど鼓動した。

何・・一体・・・あれ・・・?

ラビの喜悦の声が、その行為を嫌がっていない、それどころか深い快感を感じさせられていることを示唆していた。

あんなこと・・・して・・・
き・・・気持ちいいの?

私もセックスで快感を感じたことがあったが、あんなになるまで悶えたことはなかった。そして、震えるほどの絶頂というのも未経験だった。

もしかしたら、私の経験してきた『セックス』とは、違う何かを経験している・・・の?

「トワノンさんも、ああいうプレイに興味ありますか?」
すっとファイの手が私の肩にかかる。
ファイがそっと囁いた。

「自分の心に嘘をつかないで・・・ここはバル・マスケ・・・
 何をしても良い、何を感じても良い・・・そんなところなんですから」

喉がからからになる。何度飲み込んでも変な唾液が口の中に溢れてくる。多分スカートに隠れているのでファイには見えないだろうが、足がガクガク震えており、その付け根の女の園からはとめどなく蜜が溢れてきているのを感じている。

ああ・・・うう・・あ・・・

身体がスーッと冷たくなっているのに、頭の中だけが沸騰したように熱い。とうとう立っていられなくなって、私は傍らのファイに寄りかかってしまう。

ちょうどファイの口が耳元に寄せられる形。
また、囁かれる。まるで、本能を呼び覚ますように、脳髄を揺さぶるように・・・

「あなたはトワノン・・・ここでは誰もあなたを知らない
 あなたは誰にも縛られないんですから
 もう・・・自分を抑えなくて良いんです・・・よ」

ドクン、と血流が脳に逆流したような奇妙な感触を覚えた。くるくると世界が回り、私はふわりと気を失ってしまった。
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