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淫夢売ります
第30章 白の花園:記憶の鍵

☆☆☆
黒いビロードの暗幕が幾重にも垂れる薄暗い店内。
白いロングスリーブのブラウスに黒いリボン、そして、同じく黒のフレアスカートを身につけたロングヘアの女性が、一枚のカードを弄んでいた。
カードの裏は赤
表には草原にぽつんと立った白木の扉を女性が開こうとしている、そんな図案が描かれていた。
女性の両の目は、まるで濡れたオニキスのように黒かった。すべての光を吸い込んでしまうくらいの黒。その目を歪めて、女性は笑う。
ここは夢占モルフェ。
淫らな夢を売る、女店長『ユメノ』の店。
彼女は自分の売った夢から欲望を貪る。
今日、喰った欲望も、濃厚であり、彼女はとても満足していた。
「この分じゃ、次が最後の夢になっちゃうわ・・・
とても、残念だけど」
くるくるとカードを弄ぶ。
『草原に立つ扉を開こうとしている女性』のカード
真実の発見を意味するカードだった。
「まあ、それがあなたの欲望なら・・・仕方ないわね」
料金分の欲望はいただけたしね。
そう、ユメノはひとりごちした。
黒いビロードの暗幕が幾重にも垂れる薄暗い店内。
白いロングスリーブのブラウスに黒いリボン、そして、同じく黒のフレアスカートを身につけたロングヘアの女性が、一枚のカードを弄んでいた。
カードの裏は赤
表には草原にぽつんと立った白木の扉を女性が開こうとしている、そんな図案が描かれていた。
女性の両の目は、まるで濡れたオニキスのように黒かった。すべての光を吸い込んでしまうくらいの黒。その目を歪めて、女性は笑う。
ここは夢占モルフェ。
淫らな夢を売る、女店長『ユメノ』の店。
彼女は自分の売った夢から欲望を貪る。
今日、喰った欲望も、濃厚であり、彼女はとても満足していた。
「この分じゃ、次が最後の夢になっちゃうわ・・・
とても、残念だけど」
くるくるとカードを弄ぶ。
『草原に立つ扉を開こうとしている女性』のカード
真実の発見を意味するカードだった。
「まあ、それがあなたの欲望なら・・・仕方ないわね」
料金分の欲望はいただけたしね。
そう、ユメノはひとりごちした。

