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淫夢売ります
第30章 白の花園:記憶の鍵
☆☆☆
ここは?

不意に私は意識を取り戻す。まるで夢から覚めたかのようだった。
周囲を見渡すと、そこがユミの部屋だということがわかった。窓の外が暗い。どうやら時刻は夜のようだ。
天井にある花の蕾のような形のライトが暖かいオレンジの光を部屋に注いでいた。

ああ、そうか、意識を取り戻したのではなく、眠りに落ちたのか。
そうだ、さっき布団に入った記憶がある。
また、ユミに会ってしまうのだろうか、とドギマギしながら、すっと眠りに落ちていった・・・その記憶がある。

私はユミの部屋の中央に据えられている丸テーブルを前にして椅子に座っていた。
周囲を見ると、ユミはいない。

どうやって屋敷に入ってきたのだろう、と考えかけて、これは夢なのだからなんでもありか、と思い直す。

目の前に、先日見た古びた洋書があった。

『Diary』

とある。

日記、なんだ・・・

ユミの日記だろうか?それとも、昔ここに住んでいた人の日記だろうか?
これを読めば、ユミが一体誰なのか、どうして私にあんな事をするのか、わかる・・・だろうか?

でも人の日記を見るのなんて、いけないよね・・・。
手を伸ばしかけて、引っ込める。
でも、好奇心が勝り、そっと手に取ってしまう。

ペラリと、1ページ開いてみる。
日付が書いてあった。

7.18.2013〜

4月1日、とかではなく、変な日付から始まっている日記。前の日記からの続きなのだろうか?
2013年7月18日・・・私は何をしていただろう?
小学校、3年生?
ユミもそれくらいの年だったのだろうか?その割には大人びた文字だ。

胸がドキドキする。
ごめんね・・・ユミ・・・

もう一枚、ページを捲る。見開きの左のページには1行だけ文字がある。

『今日、初めて、あの子に会った ”裕美”』

どきりとする。裕美・・・私の名前。なんで?
右のページには、こうあった。

『”裕美” は泣いている。だから、私は鍵をかける』

鍵をかける、って、どういう意味?
鍵というと、庭の鍵を連想する。あの庭に鍵をかけたのは、ユミなのかな?
次のページは・・・。

「それ、気になる?」

とん、と肩に手を置かれ、私はビクッと身体を震わせた。
いつの間にかユミが背後に立っていたようだった。

「ご・・・ごめんなさい」
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