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淫夢売ります
第30章 白の花園:記憶の鍵
はっと目が覚めた。
いつものワンルームの天井。窓から朝日がさしており、ベランダに雀でもいるのだろうか、チュンチュンと鳥のさえずる声が聞こえてくる。

それ以外は無音の部屋。

いつもの目覚めなのに、私の心は千々に乱れていた。
そんなに部屋は暑くはないというのに、額にはじっとりと汗をかいており、心臓はまだ早鐘のように打っている。

何・・・何・・・あれ・・・
夢・・・だよね?

そう、夢だ。それはわかっている。
にも関わらずあの生々しさはなんだろう。
この間と同じ、いや、それ以上だ。触れ合ったユミの肌の質感までもがありありと思い出される。

昨日から、一体何だというのだろう?
そして・・・
そっと私は自分の秘所に指を持っていく。ヒヤリとした冷たさを感じる。そこは昨日のそれとは比べ物にならないくらいしとどに濡れそぼっていた。

興奮が冷めやらない。
ユミの舌がもう少しで私のココに・・・そう思うと、じゅんと、あそこから愛液が吐き出されてしまうのを感じる。

なんでこんなにいやらしい夢を見るようになっちゃったの?
思い当たることといえば、モルフェで受けた『催眠』だった。あのとき、ユメノに何か妙な暗示でもされたのだろうか。そう言えば、去り際にユメノは『今夜の夢をお楽しみに』と言ってはいなかったか?

どうしよう・・・もう一度あのお店に行って、この淫夢をなんとかしてもらうべきだろうか?
それとも・・・

ドキドキする胸に手を当てながら私は考える。

それとも・・・私はまたユミに会うことを期待しているのだろうか?
夢の中でユミが言っていたみたいに、もっともっと乱れることを、期待してしまっているのだろうか・・・。

「シャワー浴びなきゃ・・・」
とてもじゃないけど、このまま大学になんか行くことはできない。淫らなぬめりを洗い流し、下着を交換しなくてはいけない。

答えが出ないまま、ヨロヨロと私は浴室に向かった。

ざああああああ

シャワーを浴びる。心地よいお湯の刺激に、次第に意識がはっきりしてくる。顔を洗うと、汗はすっかり流れ、さっぱりとした。そのまま、シャワーの湯の矢を体に浴び、お湯が滑り落ちるのにまかせてみる。

ああ・・・気持ちいい
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