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The Bitch (ザ、ビッチ)
第7章 2024年3月17日日曜日
 63

「わたしの好きに…」

 わたしは、イマイチその意味を理解できないままに、次の日に…

 まずは、マンションエントランスキーの暗証番号を変え…
 スマホの和哉関連の全てを着信拒否設定にした。

 本来ならば、いつもオトコを変える時には、スマホそのものを変え、電話番号を変えるのだが、今回は仕事面でのリスクが高いという理由もあって、着信拒否設定だけに留めたのである…
 それに、なぜか、彩ちゃんが、それでいい…と云ってきたこともあったから。

『そのうちわかりますよ…』
 そしてなぜか、そうも云ってきたのだ。

「そのうちって?」
 と、そうわたしが訊いても…
『そのうちわかりますから…』
 と、言葉を濁してくる。

『はい、そのうちですよ…』
 とりあえず、わたしは諦めた。

 それよりも、さっそく、その夜から…

 和哉ラッシュがはじまったのだ。

 それはそうであろう…
 あの夜、部屋で愛し合った次の日から…
 理由も分からずに…
 突然、何の前触れもなく部屋のエントランスキーの暗証番号は変えられ、電話関連の全てを拒否されたのだから。

 それに…
 きっと藁をもすがる思いだったのだろう…
「ビッケちゃんが来ましたけどぉ、知らないってぇ、一方的に突き放しちゃいましたぁ…」
 そして彩ちゃんのお店にも、すがる思いで訪ねたそうなのだが、彩ちゃんに無下にあしらわれ…

 そう…
 和哉は完全にお手上げ、八方塞がりとなったのだ。

 だが、その後も和哉ラッシュは続き…
 いや、約二週間連続で続いたのだが…
 なぜか、その後、ピタリと止まった。

 そして、例の『X(Twitter)』もネット上から消え失せる…

 だが、わたしは、油断せずに…

 いや、多分、和哉の顔を見たならば…

 この張り詰めた、ううん、ガマンに我慢してきた心の壁が、一気に崩れてしまう…
 と、分かっていたから…
 その後も、ほぼ夜は家に籠り、仕事に集中した。

 幸い、仕事が予想外に忙しく、いや、激務となってきていたから…

 そして…

 約二か月が過ぎ…
 和哉の影は…

 無くなった。

 そう…

 そして…

 わたしと和哉の二年間という時間は…

 ビッケとビッチの関係は…………

 終わったのだ。







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