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The Bitch (ザ、ビッチ)
第7章 2024年3月17日日曜日

51
「じゃ、またっす、おやすみなさいっす…」
バタン…
和哉はドアの向こうへと消えていった。
「あ…か……」
わたしは呆然と見送り、立ち尽くし、その後ろ姿に声も掛けられなかったのだ。
あぁ、終わった、終わり…
これで和哉とは終わったんだ…
心の中で『バタン』という玄関ドアの閉まった音が響き渡る。
これで終わり…
和哉とは終わり…
和哉とはお別れだ…
わたしはその閉まった玄関ドアを見つめながら立ち尽くす。
ガタン…
だが、不意に後ろから音がした。
そう、引き戸の開く音が聞こえてきたのだ…
そうだ、そう…
まだ、完全には終わりではない…
まだ…
まだだ、麻耶さんがいる…
狂った麻耶さんが…
いや、わたしが狂わせたであろう麻耶さんがまだいる…
「………………」
その引き戸を開き出て、呆然と立ち尽くしている麻耶さんの顔は…
その目は…
真っ赤に濡れていた。
その真っ赤な目、顔は…
激しい動揺…
怒り…
驚き…
狂騒…
そして哀しみ…
それらの全ての彼女の想いが顕れ、見て取れる。
それはそうであろう…
麻耶さんにしてみれば、一大決心をして、そしてすがる様な想いをも込めてわたしに突撃してきての…
この結果なのだから。
予想だにしなかった、愛しいオトコの狂おしいほどの饗宴を…
そして初めてリアルに見たであろう、生々しいオトコとオンナの狂宴の交ぐわいを…
否が応もなく見せつけられ、いや、見せられてしまったのだから。
和哉の本当の、本音を知ってしまった激しい心の動揺…
こんな痴態の饗宴、狂宴を見せつけてきたわたしへの怒り…
生々しいオトコとオンナの交わりを初めて見た驚き…
今だかつて感じたことがないほどの狂おしいまでの嫉妬心と昂ぶりと高ぶりの騒めき…
別れるわ…
和哉を譲るわ…
おそらくわたしの表情からそう読み取り、もしかしたら大人のオンナ、女として憧れと尊敬の念まで一瞬でも抱き、期したかもしれないのに一気に地獄の底まで突き落とされ、いや、絶望感と哀しみに叩き落とされてしまったであろう…
麻耶さんからはそんな想い、思い、苦悩、いや、苦悶が伝わってきた。
そしてその想い、思いは、わたしの今のクソ女なビッチの心にゆっくりと染み込んできたのだ…
「じゃ、またっす、おやすみなさいっす…」
バタン…
和哉はドアの向こうへと消えていった。
「あ…か……」
わたしは呆然と見送り、立ち尽くし、その後ろ姿に声も掛けられなかったのだ。
あぁ、終わった、終わり…
これで和哉とは終わったんだ…
心の中で『バタン』という玄関ドアの閉まった音が響き渡る。
これで終わり…
和哉とは終わり…
和哉とはお別れだ…
わたしはその閉まった玄関ドアを見つめながら立ち尽くす。
ガタン…
だが、不意に後ろから音がした。
そう、引き戸の開く音が聞こえてきたのだ…
そうだ、そう…
まだ、完全には終わりではない…
まだ…
まだだ、麻耶さんがいる…
狂った麻耶さんが…
いや、わたしが狂わせたであろう麻耶さんがまだいる…
「………………」
その引き戸を開き出て、呆然と立ち尽くしている麻耶さんの顔は…
その目は…
真っ赤に濡れていた。
その真っ赤な目、顔は…
激しい動揺…
怒り…
驚き…
狂騒…
そして哀しみ…
それらの全ての彼女の想いが顕れ、見て取れる。
それはそうであろう…
麻耶さんにしてみれば、一大決心をして、そしてすがる様な想いをも込めてわたしに突撃してきての…
この結果なのだから。
予想だにしなかった、愛しいオトコの狂おしいほどの饗宴を…
そして初めてリアルに見たであろう、生々しいオトコとオンナの狂宴の交ぐわいを…
否が応もなく見せつけられ、いや、見せられてしまったのだから。
和哉の本当の、本音を知ってしまった激しい心の動揺…
こんな痴態の饗宴、狂宴を見せつけてきたわたしへの怒り…
生々しいオトコとオンナの交わりを初めて見た驚き…
今だかつて感じたことがないほどの狂おしいまでの嫉妬心と昂ぶりと高ぶりの騒めき…
別れるわ…
和哉を譲るわ…
おそらくわたしの表情からそう読み取り、もしかしたら大人のオンナ、女として憧れと尊敬の念まで一瞬でも抱き、期したかもしれないのに一気に地獄の底まで突き落とされ、いや、絶望感と哀しみに叩き落とされてしまったであろう…
麻耶さんからはそんな想い、思い、苦悩、いや、苦悶が伝わってきた。
そしてその想い、思いは、わたしの今のクソ女なビッチの心にゆっくりと染み込んできたのだ…

