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ママ活
第9章 《最終章》病める時も健やかなる時も、ママと


「宅飲みしてたの。ちょうど一人じゃ味気なかったし、貴女、実家暮らしでしょ?メンタルやられている時に、ご家族とお夕飯出来るほど、器用なの?」

「…………」


 酔って世間を罵ろう、とおどける久美子は、やはり見た目とのギャップが大きい。
 こんな彼女だから、かつては目立つ格好でライブハウスに通っていたという話を聞いても、想像がつく。


「久美子さんと、飲みたい、です」

「そう。行くわよ。何があったか知らないけど、◯◯くんが原因なら、本当にリンチしてあげるからね」


 久美子は、まだりなの衰弱の原因を仕事や上司によるストレスと考えているのか。アプリからタクシーを予約して、到着予定時間までコンビニで暇を潰している間も、懇ろな後輩を気にかけるように──…いや、それ以上に気を遣って,世話を焼いてくれていた。


 平凡な安らぎが欲しかった。特別でなくて十分だ。ただ、些細な試練くらいは乗り越えられる原動力になるほどの、ささやかな幸せが。

 久美子となら、そんな日常も望めるだろうか。
 後輩の誤送信に早とちりして、こうも親身になってくれる人間など、ホワイト企業にもいまい。
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