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ママ活
第9章 《最終章》病める時も健やかなる時も、ママと


「小川ちゃん、ありがと」

「ん、んんッ」


 身をよじる佳歩を抱き寄せて、明咲は彼女の重みを捕まえる。甘い香りの髪に指をうずめて、柔らかな背中を撫でさする。


「こんなに私を想ってくれて、信じられないけど、信じるしかなくなっちゃうよ」


 胸を張れないような生き方だった。明咲は、佳歩がまっすぐであればあるほど、彼女まで穢しはしないかと恐れた。愛という愛全てが、人間を破滅させるものではない。中には眠らなくても見られる夢のような愛もあって、佳歩にはそうしたものが分かち合える相手に巡り逢って欲しかった。

 明咲とて傷つきたくない。大きな喪失も味わいたくない。綺美果のような、愛された数だけ捨て去られる関わりも、持ちたくなかった。

 そんな明咲のために、佳歩は佐和子にたてついた。

 佐和子が佳歩を玩具のように扱って、彼女を焚きつけた一部終始は、断片的に聞こえていた。
 人は五感のどこかが欠けると、他が研ぎ澄まされるという。だからか、さっき明咲は亜純の与えてくれた逃避先から、目を逸らせない現実を見た。


 身繕いして、明咲は寝台を降りた。

 佳歩の着ていたものを回収してきて、寝台にいる彼女の衣服も整えていく。

 佐和子達は浴室に入ったようだ。遠くにシャワーの音が聞こえる。
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