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ママ活
第9章 《最終章》病める時も健やかなる時も、ママと







 りなが出ていったあと、二言三言、いや、もっと、喧嘩腰に佐和子と議論して、佳歩は悟った。

 佐和子が自信を持てないのは、愛だけだ。

 彼女に行く手を塞がれて、唇までそうされた時、佳歩は動けなくなった。
 明咲以外の人間とは、手も触れ合いたくなかった。想像すらおぞましい。だのに佐和子は、そんな佳歩の意志をくじいた。

 明咲のみだりがましい声に、淫靡な水音──…そして彼女を包み込む、優しく官能的なささめき。
 まるで閉ざされたたった二人の空間から、聴覚を全て遮断したくなるほどの情報がこぼれ出て、佳歩を耐え難くさせていた。

 佐和子のキスは、じきに佳歩の耳朶や首筋に移った。興味もないはずの邪魔者をもてあそぶ彼女は、一瞬一瞬が蠱惑的で妖艶で、愛撫は必要な無駄が行き届いている。自身の美貌を自覚している風でもあった。佳歩が我に返った時、下着まで乱されたあとだった。


 …──お金や権力があったって、明咲も亜純も手に入らないわ。


 佐和子の達観した言葉つきが、愉快げな音を乗せて、佳歩の胸の奥に落ちた。

 無関心なものを見るような目が、奢侈なダブルベッドに向いた。

 彼女が続ける。


 まして好意で、一度でもあの子と将来を約束出来る期待を持てたことはあった?
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