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ママ活
第9章 《最終章》病める時も健やかなる時も、ママと
「私との関係がなければ、明咲は異常性愛者に売り飛ばされていた可能性だってあったわ」
佐和子が続ける。
そこには矛盾のない事実しかなかった。
明咲が直面した過去の悲運は、佐和子が収拾つけたようなものだ。元凶も、目の前にいる雇用主ではない。
それでも、と佳歩は口を開く。
「ご友人のいたずらで、社長は明咲ちゃんに騙されるという筋書きだった。けど、見抜いた。騙されるふりして続けていたのでしたら、訴訟は無意味です」
「その通りよ」
「途中で気付いたなら百歩譲ってまだしも、社長が脅迫罪になりますよ」
こうも佳歩が明咲を解放するよう要求しても、佐和子はただ非を認めるだけだ。それも悠然とした態度でだ。
彼女は、人間同士の精神的な繋がりを貶めている。明咲との関係も例外ではないはずなのに、どこかで不変を信じているのか。
明咲が佐和子に情をいだいている可能性を否定したいのは、佳歩の方だ。
佐和子が彼女に意図して騙されたのと同じで、明咲も、本意で脅されてきたのだとしたら?
「今夜は、仲良くしようって言ったよね?」
感覚を詰めてきた佐和子の片手が、佳歩の手首を捕らえた。
彼女の唇が佳歩の薄皮の覆った動脈に触れて、そのキスが口を塞いできた。
佳歩の思考が働かなくなった。
あっという間に、壁に追いつめられていた。

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