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ママ活
第9章 《最終章》病める時も健やかなる時も、ママと
まだ残っている社員達の目を気にした佐和子は、分かれての移動を提案した。
彼女を除く三人が、ホテルへのタクシーに揺られている間、居心地の悪い無言が続いた。
短い道中、何度、明咲は佳歩と視線が合ったか。気まずく感じていたのは、明咲の後ろ暗さのせいか。十代の頃も見た目で興味を持ってくれた女子達はいたが、彼女らの関心が明咲の内側にまで向いたことはなかった。
佳歩を屈曲した性愛のもつれに巻き込んだ。
彼女なら、純粋な欲望とて報われるかも知れないのに。
綺美果を見てきても尚、そんな可能性を捨てきれないのは、佳歩が彼女以上に愛情深いからだ。少なくともあの母親なら、気のある相手のために本命だった就職先を蹴るタイプではないし、他人の事情に進んで付き合うこともなさそうだ。
部屋には、佐和子が先回りしていた。専属の運転手に無茶でもさせたのか。
明咲達を出迎えた彼女が、りなに向き直った。
「貴女達、珍しく定時上がりだったのね」
不機嫌を極めていたりなの眉間に、更に深い皺が現れた。
「亜純を呼んだわ。隠れるか隠れないかは、自由にして」
挑発か。
明咲は、佐和子らしからぬ配慮に欠けた行動に顔をしかめた。
だが本当に彼女に呼ばれて訪ねてきた亜純と対面した途端、何にも考えられなくなった。

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