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ママ活
第8章 推しのママに宣戦布告?!
* * * * * * *
退社時刻が近づく頃、鋭い西陽が街に射していた。
冷えた社長室のブラインドの隙間から、目も眩むほどの光がこぼれている。まるで締め出された黄金の魔物が外から食らいついているようだ。
明咲は、秘書と入れ替わりに佐和子を訪ねた。
彼女も仕事を終えたところで、バッグに荷物をまとめている最中だった。
「来春には、飲食事業に手を出そうと思ってるの。綺美果さんの手料理が、あまりにもウケていてね……外でも出せば、収益になるんじゃないかと」
「それで彼氏と別れたんだ。会う時間を減らしたいって言ったら振られたって、この前、泣き言聞かされました」
「免許を取ってもらうよう、お願いしたからね。人間ひとつくらい取り柄があるんだなって、正直驚いてる」
驚いているのは自分もだ、と明咲は彼女に頷いた。
綺美果が真面目に働いている。飲み屋時代も適当ではなかっただろうが、仕事を理由に男との時間を削った彼女は、本当にあの母親かと疑う。明咲ら母娘が関わるのは、相変わらずLINEか社員食堂でのみだが、以前より関係も良くなったのではないか。
そうした明咲の心を読んだようなタイミングで、佐和子が口を開いた。
「だけど、仕事の姿勢と母親の自覚の有無は、別物よ」

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