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ママ活
第8章 推しのママに宣戦布告?!
何が佐和子を臆病にしたか。
知ったところで、何も変えられそうになかった。
明咲とてどうにもならなかった。
六年前、宮田や抄の援助があって、ようやく人間らしく身繕い出来るようになっても、他人の評価を言葉のまま受け入れまいと、不可視の扞禦は立てていた。
まごころが報われる保証はない。それなら、初めからなくても同じだ。
佐和子といると、安心出来た。
彼女は、明咲の意思に無関心だからだ。対価の分、肉体だけ消費する。
だのに、感情が線を踏み越えることもあるのか。
「佐和子さんは、幸せですか」
「今はね」
「半永久的な幸せに、興味を持ったことは?」
「明咲のお母さんが夢見てるような?」
笑いながら、佐和子が腕に力を込めた。
明咲は、かつて母親に売春を強要された女を腫れ物扱いしようともしない彼女に頷く。
「明咲は、買ったものを一生持ち続けるなんてこと、出来ると思う?」
「家や、貴金属とか資産なら……」
「手放す時、未練は残ると思う?」
それは、残らないだろう。
事情にもよるが、未練があるなら持ち続けていれば良い。
「でも佐和子さんの買ってるものは、絆です」
彼女を困らせたくない。重みになりたくない。
だが、明咲の人間的感情が彼女の負担になるようなら、当初の望み通りではないか。
彼女との再会は、明咲を過去に引きずり戻した。もう誰のものにもならないと決めていた。亜純が、それを証明してくれていたのに。

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