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第11章 第11章 麗と弥生
「 此処は何も無いから、あの宿が村人の
  収入源に成っていてな、農家をやっているから
  食べる事には困らない、若いのは18に成ると皆、
  出て行ってしまって村は年寄りばかりだ 」
寂しそうに言うと、携帯灰皿に煙草を押し込み
釣り竿を抱え川の中へ、釣竿が大きく振られ白い糸が
流れる様に波打ち、川面に落ちて行く、弥生は川岸に
座って釣り人の動きをしばらく眺めていた、
何時の間にかオレンジの光が山間から見え、
立ち上がった弥生は部屋へ戻ろうと、斜面を登って行った
部屋に戻りと浴衣を着た昌が椅子に座り、ビールを傾け

「 何処へ行ってたの ? 」
優しい声音で聞いて来た弥生は座敷のテーブルの前に座り
普通の声で

「 河原、鮎釣り見てたら、こんな時間に 釣った鮎
  宿に持ってきてくれるって、楽しみ・・・ 」
部屋に入った時に点けたTV画面に目を向けて話した

「 食事に行こう!! 」
時計を見て弥生は立ち上がった

食堂に入るとテーブルに案内され食事が始まる
タイミングよく出されてくる料理は 丁寧な盛り付けと
舌を驚かせる料理に、弥生は夢中で食べていた
大柄な女性が時折食堂から出て行く姿を
横目で見ながら料理を食べて行く
食事が終り、彩の良いデザートにスプーンを
入れている時宿の支配人が入って来て 

・・・本日は ありがとうございます・・・
頭を下げ 

・・・この後、あちらに有る囲炉裏でご歓談など如何でしょう・・・

・・・ これもご縁ですから・・・

・・・どうぞ 短い夜を 歓談する事で 楽しんで下さい・・

・・・後ほど お約束のお酒を お持ちさせて頂きます・・

・・・一期一会ですから どうぞ ごゆっくり・・・
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