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千一夜
第61章 第八夜 island 真相
 水平線に沈んでいく夕陽の美しさは、本土のそれとはまるで別物だ。夕陽は人の心をも照らす。心を落ち着かせて安らぎを与えてくれる。だが……。
「良輔、Tシャツ着なさい」
「パパも裸だよ」
 私たちは部屋のテラスで夕食を取っている。 河田と良輔が上半身裸なのだ。
「何でもかんでもパパの真似をしなくてもいいの」
「ワイルドじゃん」
「マナー違反です。良幸はちゃんとTシャツを着ています。あなたは良幸のお兄ちゃんでしょ。お兄ちゃんは弟のお手本にならないといけないの。わかった?」
「良輔、ママの言う通りだ。パパもTシャツを着るからお前も着なさい」
「了解です」
 席を立ちあがると、二人は部屋に入った。そしてTシャツを身に着けてテラスに戻って来た。
「ママ似合っている?」
 良輔は胸を張って私にTシャツを見せた。
「似合っているわよ」
「パパも?」
「もちろんよ。ねぇ良輔」
「何?」
「夕陽が綺麗よね」
「うん」
「食事が終わったら、パパとまたプールで遊ぶんでしょ?」
「うん」
「だったら明日もこのホテルに泊まらない?」
「結構です」
「どうして?」
「プールなんてマンションにもあるじゃん」
「良輔、マンションのプールじゃおちんちん出せないわよね」
「ママのエッチ」
「ははは」
 さっきと同じタイミングで河田が笑った。
「どうしても島に行く?」
「当たり前じゃん」
「だったら、パパと良輔は島に行って、ママと良幸はこのホテルであなたたちを待ってるわ」
「ダメです。これは家族旅行です。それにおじさんとおばさんは僕たち四人を待っているんです。
「わかりました、ママは観念しました」
「観念?」
 良輔が言葉の意味を河田に訊く。
「ママも良幸も島に行くと言うことだ。よかったな」
「だったらママも僕とパパと一緒に秘密基地に行く?」
「お断りします。ママは秘密基地になんか行きません」
「ママにも僕とパパの秘密基地を見せたかったんだけど」
「……」
「ママ」
 良輔が私の顔をじっと見てそう言った。
「何?」
「ママ、さっきルーム何とかで綺麗になったんじゃないの?」
「お世辞?」
「……」
 良輔が黙った。でも私から目を離さない。
「どうしたの? ママの顔に何かついている?」
「ついてないよ」
「じゃあ何で見てるの?」
「だってママ……ママが若くなった感じがするんだ」
「えっ?」

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