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千一夜
第60章 第八夜 island その島について
「いっそのこと、河田がその島を買っちゃえばいいじゃん。河田にはその資格もあるし金もある」
そう言ったのは、河田の高校時代からの友人山崎明人だ。都立H高校から東京大学理科三類に進んだスーパーエリート。彼もまた大学時代は自転車部R班に所属していた。
「資格ってどういうとこだよ」
「どうもこうもない、そのままの意味だ。天下の○○○の財務の最高責任者様だ。島の一つや二つくらい買ってもいいじゃないか。まぁ、俺には無理だけどな。俺は無理でも河田ならできる」
「お前は本当にいい加減なやつだ。お前は本当に医者なのか?」
「今度河田に俺の医師免許を見せてやる」
「結構だ」
「いや、意地でも河田に俺の医師免許を見せる」
「だから断ると言ってるんだ。お前の医師免許なんかには興味がないんだ」
「わかった。俺は見せる相手を間違っていた。医師免許は良輔と良幸見せることにする。良輔、君は俺のような医者になるんだ」
「お医者さんが、お酒を飲んでいいの?」
子供の素朴な疑問。
「良輔、今日だけは飲ませてくれ。おじさん今日もまた池沢さんにふられた。良輔、君も大人になれば俺の気持ちがわかる。男はな、女にふられると酒を飲みたくなるんだよ」
東大の自転車部R班には卒業後、毎年一回同窓会のようなものを東京の本郷で開く。三年前くらいから、どういうわけか二次会の場が河田のマンションになった。
私は料理には自信があるが、何せ十人をこえる量を私一人で作るのは少々面倒だ。それを聞いた池沢が私の手伝いに来るようになったのだ。
その池沢に目をつけたのが山崎だ。山崎はここに来る河田の友人の中で唯一の独身者だ。
「全く論理的じゃないな。麗子、東大の医学部を出てもこんなもんだよ」
「失礼なやつだ。河田、お前は昔からムカつくやつだった」
山崎はそう言うと、グラスのブランデーを一気にあおって、空になったグラスにヘネシーを自分で注いだ。
「おい、飲み過ぎだぞ」
「ケチくさいことを言うな! 〇〇〇のCFO!」
「池沢のことなんか諦めろ。お前、今じゃ○○大学の教授なんだろ? 黙ってても向こうから相手が来るさ」
「河田、お前さ、動物の雄の本能って知ってるか?」
「はぁ~、生涯雌を追いかけるとか?」
「わかってるじゃねぇか。追いかけられなくなったら雄はもう雄じゃなくなるんだ」
そう言って山崎はヘネシーを一口口に含んだ。
そう言ったのは、河田の高校時代からの友人山崎明人だ。都立H高校から東京大学理科三類に進んだスーパーエリート。彼もまた大学時代は自転車部R班に所属していた。
「資格ってどういうとこだよ」
「どうもこうもない、そのままの意味だ。天下の○○○の財務の最高責任者様だ。島の一つや二つくらい買ってもいいじゃないか。まぁ、俺には無理だけどな。俺は無理でも河田ならできる」
「お前は本当にいい加減なやつだ。お前は本当に医者なのか?」
「今度河田に俺の医師免許を見せてやる」
「結構だ」
「いや、意地でも河田に俺の医師免許を見せる」
「だから断ると言ってるんだ。お前の医師免許なんかには興味がないんだ」
「わかった。俺は見せる相手を間違っていた。医師免許は良輔と良幸見せることにする。良輔、君は俺のような医者になるんだ」
「お医者さんが、お酒を飲んでいいの?」
子供の素朴な疑問。
「良輔、今日だけは飲ませてくれ。おじさん今日もまた池沢さんにふられた。良輔、君も大人になれば俺の気持ちがわかる。男はな、女にふられると酒を飲みたくなるんだよ」
東大の自転車部R班には卒業後、毎年一回同窓会のようなものを東京の本郷で開く。三年前くらいから、どういうわけか二次会の場が河田のマンションになった。
私は料理には自信があるが、何せ十人をこえる量を私一人で作るのは少々面倒だ。それを聞いた池沢が私の手伝いに来るようになったのだ。
その池沢に目をつけたのが山崎だ。山崎はここに来る河田の友人の中で唯一の独身者だ。
「全く論理的じゃないな。麗子、東大の医学部を出てもこんなもんだよ」
「失礼なやつだ。河田、お前は昔からムカつくやつだった」
山崎はそう言うと、グラスのブランデーを一気にあおって、空になったグラスにヘネシーを自分で注いだ。
「おい、飲み過ぎだぞ」
「ケチくさいことを言うな! 〇〇〇のCFO!」
「池沢のことなんか諦めろ。お前、今じゃ○○大学の教授なんだろ? 黙ってても向こうから相手が来るさ」
「河田、お前さ、動物の雄の本能って知ってるか?」
「はぁ~、生涯雌を追いかけるとか?」
「わかってるじゃねぇか。追いかけられなくなったら雄はもう雄じゃなくなるんだ」
そう言って山崎はヘネシーを一口口に含んだ。

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